日本酒 賞味期限

日本酒に賞味期限はある?

蔵元がこっそり教える!明日から使える簡単マメ知識。

片づけをしていたら贈答でいただいた日本酒がでてきた。
うっかり日本酒を長期間放置してしまった、なんてことはありませんか?
日本酒には製造年月は書かれていますが、賞味期限は書かれていないため、あまりにも長い期間が経っていると飲んでも大丈夫なのか悩んでしまうこともあるでしょう。ここでは、日本酒に賞味期限の表示がない理由や賞味期限の目安、適切な保存方法などをご紹介します。

目次
1.日本酒に賞味期限はある?
2.保存方法は?
3.古くなった日本酒の活用法
4.古酒とは?

1.日本酒に賞味期限はある?

ほとんどの食品や飲料には賞味期限が記載されているのに、なぜ日本酒には賞味期限が記載されていないのでしょうか?
加工食品は消費期限又は賞味期限の表示が義務付けられていますが、日本酒は酒税法の定めにより、賞味期限の記載義務がありません。
また、2023年1月の改正で、製造時期の表示についても必要記載事項から任意記載事項に変更となりました。
製造時期とは、日本酒がいつ造られたかではなく、いつ瓶に詰められたか、という表記です。

そもそもなぜ日本酒は賞味期限の記載義務がないのでしょうか。
それは、日本酒には明確な賞味期限が存在しないからです。
日本酒には比較的高いアルコールが含まれているので、アルコールの殺菌作用により腐敗することはないのです。
製造年月から数年や10年以上経過しても、味わいが変わることはありますが、腐敗して身体に害を与えるということはありません。そのため、賞味期限の記載がないのです。

同じように、焼酎やワイン、ウィスキーなどのお酒も賞味期限の表示はありません。しかし、お酒なら全て賞味期限の表示がないわけではなく、ビールやチューハイなどには賞味期限が記載されていますので、注意しましょう。

2.保存方法は?

適切な場所で保管された未開栓の日本酒の場合は、製造年月から約半年~1年程度は美味しく飲むことができるとされています。たとえこの期間を過ぎていたとしても飲めないことはないのですが、徐々に熟成が進み、味わいが変化するため、なるべく早めに飲むことをおすすめします。
また、開栓済みの日本酒の場合は、約2週間を目安に早めに飲み切ってしまいましょう。これは、一度開栓すると熟成が進みやすくなり、味わいが変化する可能性が高いためです。
温度が高い場所に放置しておくと、老香(ひねか)という劣化臭が発生する場合があります。味わいは酸味が強まる、苦味が出るなど、本来の味から変化していってしまうのです。その他、黄色がかっている、澱が発生して独特の舌触りになる、などの変化が起きることがあります。日差し予防はしてあるけれど日当たりの良い場所に日本酒が置いてあり、色のついている商品を見たことがあるという方もいるのではないでしょうか。長期間温度が高い場所に放置しておくと変化が起きることがあります。
また、日本酒を保存する際は紫外線にも注意が必要です。日本酒の瓶には、茶色や緑色が多用されています。これは、瓶を茶色や緑色など光を遮断しやすい色にすることで、紫外線からお酒を守っているのです。
日本酒を横置きにすると空気に接する範囲が広くなり、酸化が進みやすくなるといわれています。そのため、可能であれば立てて保管をするようにしましょう。

日本酒は、無色透明とまではいきませんが色がついていません。
香りや味わいに問題がなければ美味しく飲める場合もありますが、酸味が強くなっていたり、澄んでいた日本酒がにごっている場合などは、無理に飲まずに処分するか、他の用途に活用することをおすすめします。

・おいしく飲める期限の目安
2度の火入れ(加熱処理)がされている日本酒は、酵母の働きが止められていて品質が安定しているため、製造年月から1年以内はおいしく飲めるでしょう。 しかし、1度のみ火入れがされた生貯蔵酒や生詰、火入れをせずに出荷された生酒は、鮮度が重要な日本酒です。冷蔵庫で保存し、製造年月より約6~9カ月を目安に飲みきるようにしてください。
この期限は、日本酒が開栓前(未開封)の状態である、という条件付きです。開栓(開封)後は劣化が進んでしまうため、できるだけ早く飲みきりましょう。

3.古くなった日本酒の活用法

製造年月からだいぶ経ってしまって飲むにはちょっと・・・、飲み残してしまった、という日本酒は、そのまま捨てずに他のことに活用する方法もあります。

・料理に使う
日本酒は、酸味・甘味・旨味・香りのバランスが取れている万能調味料!
食塩との相性もよく、素材を柔らかくする効果もあるため、さまざまな料理に使用可能です。

・ご飯を炊く
ご飯を炊く際に、米3合に対して大さじ1~2杯の日本酒を加えると、つややかでふっくらした仕上がりになります。
これは、日本酒のアルコール成分の作用です。アルコールは穀物の細胞の中からデンプンやたんぱく質の成分が溶け出すのを防いでくれるため、米粒の中に成分が閉じ込められた状態がキープでき、形崩れのないふっくらした炊きあがりになるのです。
このテクニックは、少し臭いの気になる古米や、冷えて固まったご飯にも応用可能です。
ただし、ご飯を炊く際や解凍する際に日本酒を使う場合は、日本酒の色・香りに注意が必要です。変色しているものや香りが変化しているものは使用しないようにしましょう。

・日本酒風呂
日本酒風呂とは、文字通りお風呂に日本酒を少量入れて楽しむ入浴法です。日本酒は、飲むことで血行促進や疲労回復、美肌にも効果があると知られていますが、それをお肌に直接触れさせることでも、似たような効果を実感できるのです。入れる量は、少量でOKです。
効能としては、アミノ酸など美容に良いといわれる成分が豊富に含まれており、肌のキメを整えてくれる効果が期待できます。アルコールに含まれているアデノシンには、血管の拡張を促し血流をよくする働きがあるため、血流促進効果が期待できます。血流がよくなると代謝もアップし、体の芯からあたたまるので、冬の寒い日には日本酒風呂に入り身体ポカポカのうちに就寝しましょう。

注意点
使った後はすぐにお湯を捨て、当日中に洗うこと。そして追いだきはしないことです。
風呂釜を痛めてしまう可能性があります。

4.古酒とは?

日本酒のなかには、長期間熟成させた「古酒」と呼ばれるお酒もあります。
「古酒」は、褐色がかった色味や独特の熟成香、複雑で深い味わいが特徴のお酒です。「古酒」には法律上の明確な定義はありませんが、「長期熟成酒研究会」では独自に、「満3年以上蔵元で熟成させた、糖類添加酒を除く清酒」を「熟成古酒」と定めています。
「古酒」は一般的に、あらかじめ熟成させることを見込んで設計された日本酒を、倉庫や雪室などの冷暗所で貯蔵することで造られます。貯蔵の期間や方法は蔵元によってさまざまです。
熟成させるお酒のタイプによっては、常温熟成させるものや、常温と低温熟成を併用して造られる場合もあります。なお、常温貯蔵された日本酒は褐色がかった色味が強く出やすいのに対し、氷温(0度から食品が凍り始めるまでの温度)貯蔵で熟成された日本酒は無色に近いことが多いといわれています。
弊社の「35年古酒」「30年古酒」は氷温貯蔵で熟成された商品になります。ゆっくりと熟成されるため造った当時の味わいが楽しめる?

愛飲家のなかには、自宅で熟成させた「古酒」をたのしんでいる人もいるようです。ただ、「古酒」は長期間にわたって適切な環境下で保存する必要があるため、家庭では少々難しい部分もあるでしょう。しかしながら、長期熟成に適した日本酒を正しく保管できれば、自宅でも熟成された古酒をたのしむことができます。