蔵元がこっそり教える!明日から使える簡単マメ知識。
日本酒は硬水と軟水、どっちが美味しいの?どっちが良いの?
これを読むだけでお酒の美味しさ3倍増し!?になるお得情報をお教えします。
目次
1.「仕込み水」とは?
2.「硬水」「軟水」の違い
1.「仕込み水」とは?
酒蔵がお酒を造るために使用するお水を、「仕込み水」と言います。
敷地内の井戸水だったり、水道水だったり(水質のきわめて恵まれた地域のみですが)、自分の理想の水を求めて遠方まで湧き水を汲みに行かれる方がいらしたり、蔵によって様々です。
当蔵の仕込み水は、井戸水です。「秋山川」という近くを流れる川の伏流水です。
(伏流水とは、河川の流水が河床の下へ浸透し、水脈を保っている極めて浅い地下水の事です。地中で自然のろ過がされるため水質が良好で安定しています。)
醸造用ととしてもちろんですが、蔵内のすべての作業にこの水を使っています。米を洗う、米を蒸す、割り水をする、瓶や機材を洗うなどなど、本当に膨大な量の水を使います。
佐野市は昔から大変水に恵まれた土地なのです。
※酒蔵によっては、醸造用と洗瓶などの雑用用水を別にしているところもあります。
日本酒の成分の約80%は水です。
酒造りに適した安全な水質であるかどうか、また味わいの根幹として理想的なのか、とても重要な要素のひとつです。
仕込み水は、酒造りにおける有効成分(カリウム・リン・マグネシウム)を含み、清らかな水を使うことで雑味のない味わいの日本酒ができます。
逆に鉄分など日本酒造りにとって大敵となる成分が多く含まれる水を仕込み水に使うと、米の香りや風味が失われてしまうのです。
改めて、当蔵の「開華」と「仕込み水」を交互に飲んでみると、分かります。
当然ですが、味わいの輪郭というかスタイルが一緒です。全体に円やか印象ながら、キリッとした硬さ、キレの良さが感じられます。
皆さんも是非一度、仕込み水と同じ蔵の日本酒を飲み比べてみて下さい。
しっかり意識して「水」と向き合うと、日本酒をより深く知ることが出来ると思います。
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2.「硬水」「軟水」の違い
日本の水は一部地域を除き、ほとんどが50mg/L~60mg/Lの軟水と言われています。
この数値は、WHO(世界保健機構)が定めた飲料水水質ガイドラインに掲載されている数値で、WHOでは軟水・中硬水・硬水・非常な硬水の4タイプに分けられています。
【WHOが定める飲料水質ガイドライン】
・軟水:0~60mg/L未満
・中硬水:60mg/L~120mg/L
・硬水:120mg/~180Lmg/L
・非常な硬水:180mg/L~
● 硬水のお酒とは?
水にはさまざまなミネラルが含まれていますが、硬度が高い硬水はミネラル分が豊富です。仕込み水に硬水を使うと、輪郭のはっきりした、キレのある日本酒になる傾向があります。日本酒造りに使われている硬水として有名なのが、兵庫・灘の宮水。
硬水といっても、中硬水に分類されますが、日本で売られている多くのミネラルウォーターは硬度30~40で、宮水は硬度100ですので日本屈指の硬水と言えるでしょう。硬水の中でも宮水は、麹や酵母の成長を促すリンやカリウム、カルシウムが一般的な水よりも豊富で、かつ鉄分がほとんどないため酒造りに最適な水といえます。灘には多くの老舗酒蔵があり、独特のキレ味を生み出すために灘の宮水を使っているのです。
実は、開華を醸す弊社の仕込み水も「中硬水」です。
硬度108ですので、ほぼ宮水と同じ、理想的なお水と言われております。
● 軟水のお酒とは?
硬水とは反対にミネラル分の少ない軟水で造った日本酒は、やわらかくまろやかな口あたりになる傾向があります。日本酒造りに使われている軟水のひとつが、京都・伏見の御香水。灘と同じく関西エリアではありますが、味の方向性は真逆です。御香水で仕込まれた日本酒はやさしい味わいが特徴です。例えて、「灘の男酒、伏見の女酒」といわれることもあります。
皆さんも是非一度、仕込み水と同じ蔵の日本酒を飲み比べてみて下さい。
「水」をしっかりと意識してお酒と向き合うと、日本酒をより深く知ることが出来ると思います。